英田サキ「ひと目会ったら恋に花」 – 腐女子のボーイズラブ！オタク感想文

花丸文庫の英田サキさんの「ひと目会ったら恋に花 (白泉社花丸文庫)」です。イラストは笹生コーイチさんです。

【あらすじ】
『”イケメン荘”は今夜も花ざかり！！』
一流商社に勤める幸村匡樹は、取引先とのトラブルを起こして左遷されてしまう。その上、火事で住む場所を失い、「桂花荘」という古ぼけた下宿屋へ引っ越すハメに。
住人はエロ漫画家に変人の大学助教授、アイドル顔の鳶職人と超個性派しかも超美形ばかり。ご近所からは”イケメン荘”と呼ばれるほどだ。中でも元ホストのラーメン屋、中馬一成は、歓迎会で酔った幸村に濃厚なキスをしてきて…！？

ひと目会ったら恋に花 (白泉社花丸文庫)

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英田サキ白泉社 2005-12

英田サキ「ひと目会ったら恋に花」感想

ラーメン屋×レストラン店長です。

最近かなり人気になった作家さんですが、「エス」等の有名作品が出たせいか、その他の作品は色々と思うところがあるみたいですね(^^ゞ

目立つ作品が出来ると、作家さんはかなり大変だと思いますが、この作品は結構な良作品ではないかと思ったりしました。

あらすじとは、読み終わった読了感がちょっと印象が違うかんじがするんですが、いい意味で裏切ってくれたのではないかと思います！！

一流商社に勤める幸村は、取引先に迫られてしまい、うっかり抵抗して思わず殴ったことで、相手に怪我を負わせてしまった。
理由を言うわけにもいかなかったが、結局怪我をさせた自分にも非があるし、何より大きな事業の話だったので、嫌なのに取引先に謝罪したが、結局その話は流れてしまった。
そのせいで、左遷させられた幸村は、関連のレストランの店長をすることになった。
不幸は続くもので、住んでいたところが火事になってしまい、行くところもなくなった幸村に友人が紹介したのは「桂花荘」という古ぼけた下宿屋だった。
学生ばかりと思いきや、社会人ばかりだったが、かなり一風変わっていて、住人はエロ漫画家に変人の大学助教授、アイドル顔の鳶職人、そして無口な元ホストの屋台のラーメン屋だったが、皆に共通していることは顔がいいことだった。
住人に歓迎会をしてもらったその日に、成り行きで無口なラーメン屋・中馬にベロチューをされてしまい、次の日に「好きだ」と告白してくるが……？　というところから始まるお話です。

キャラクターそれぞれに個性があり、キャラの性格がたっている話で、それほどストーリーはないんだろうと思ったんですが（失礼ですいません…orz）、幸村と中馬に焦点を当てていることで、大きな事件こそないけれど、それぞれの苦労とか孤独とかが出ていていいかんじだと思いました。

中馬はかなり突然告白しますが、始めはなんでだろうと思います。

中盤あたりで話がかなり動いて、何で幸村のことが好きなのかという理由がわかります。
また、自分がゲイであると自覚がある幸村ですが、会社とのトラブルだけではなく、私生活のトラブルもあり、それが判明して解決するあたりは、涙が出てしまいました。

中盤から後半のストーリー展開が速すぎる感もありますが……ページ数的にしょうがないかなと思ったり(^^ゞ

かなり失礼なことも書いていますが（本当にすいません！！）、この話はそれほど期待して買ったわけではなかったのですが、思いのほか面白く私の好みでした。

中馬が始めはヒゲで、剃るといい男になったりとか（笑）。
キャラクターごとの話が、なんかシリーズ化しそうな雰囲気がしますが、それぞれ期待しています！

面白かった度：★★★★☆