崎谷はるひ「ミルククラウンシリーズ」

角川ルビー文庫崎谷はるひさんの「ミルククラウン」です。

叔父の口利きでジャズバーのバイトをしている高校生の雪下希。ある夜、バーのサックスプレイヤー・高遠の淫らなキスシーンに遭遇してしまい、おまけにそれを気付かれてしまう。高遠に密かな憧れを感じていた希はショックをうけるが、混乱する彼をさらに翻弄するかのように、高遠は希に口づけ、そして―。ミダラな大人の手管に翻弄される、エクスタシーラブロマンス。

2002年にミルククラウンシリーズの第1弾が発売されている、ちょっと昔の作品になります。

書店では取り扱いがないかもしれませんが、最近はkindle(電子書籍)に対応しているので、そちらから読まれる人もいるようですね。
わたしは、何か読みたいな~と思って、駿河屋で物色していて、シリーズで揃っていたので購入しました。

崎谷はるひ ミルククラウンシリーズ

子供の頃にチャイドルとして活躍していた望(のぞむ)は、芸能界を辞めたときに家族と揉め、トラウマを抱えていて、現在は叔父の玲二と一緒に暮らしていた。
学校になかなか馴染むことが出来ない望に、玲二がマネージャーを務めるジャズバーで働いていた。

そこで、サックスプレイヤーの高遠に憧れはじめた望。
ある日、高遠とゆきずりの女性のラブシーンを目撃してしまい、それからというもの急激に高遠を意識してしまい・・・というところからはじまるお話です。

ミルククラウンのためいき

憧れのサックスプレイヤーとゆきずりの女性とのラブシーンを目撃してしまい、「このままだと犯される」と思ってその場から逃げださなければと思うほど煽られてしまった望。
気まずい思いをする望ですが、それからというもの俺様な高遠に手を出されてしまい、好きだという気持ちを自覚する。

崎谷作品ですので、エロは定番な雰囲気が漂っています。

望はトラウマを抱えていて、色々なことがいっぱいいっぱい。
高遠がなぜ、10歳も年の離れた自分にちょっかいをかけてくるのかわからないまま、どんぶらこと流されていきます。

紆余曲折あって、1巻目でくっつきますが、2巻、3巻と望は自分のトラウマを向き合っていくことになります。

ミルククラウンのゆううつ

なんとか高遠と両想いになって、はじめての夏休みに浮かれかけた望だったけど、高遠はツアーのバックメンバーとしての仕事が入ってしまい、オフがないという残念な状態。
高遠と恋人同士になったけどもともとは彼の演奏のファン、いけるツアーだったら見たいと言うと、高遠の仕事は、かつて自分が所属していたグループユニットの仕事だった・・・というお話。

望の芸能界引退は、中世的なイメージで売っていた男女混合のアイドルグループで、男子メンバーが声変りを始めたことだった。
自分のトラウマのグループの仕事・・・望は放っておかれても我慢していましたが、高遠と自分が所属していたグループのメンバーとのスキャンダルが出てしまい、動揺を隠せない。

浮気だの浮気じゃないだのといった内容です。
しかし、望もあまり喋るほうではありませんが、高遠も基本喋らないので、面白いようにすれ違いまくりです。

通常、嫉妬してわがままを言うシーンだって、自分からひいちゃうしね~。

余裕がないっていうかんじの終り方がかなり好みでした♪

ミルククラウンのとまどい

ちょっとずつ過去のトラウマの傷が癒えつつあった望にとうとうあがった両親の離婚話。
父か母のどちらかについていかなければ、学費などの支援をすべて打ち切るというもの。
どちらを選んでも、高遠とは離れなければならず、さらに大学進学を決める大事な年でもあって、ものすごい悩んでしまう。

高遠も高遠で、望には打ち明けていないけれれど、両親の離婚経験があり、父とは確執があり、たまたま不安定だった。

そんな二人は、現実から逃れるようにお互いの身体に溺れていきます。

3巻で望はとうとう過去のトラウマに正式に向き合います。
メンタルが弱かった子が、恋を知ってどんどん強くなっていく、そんなところがお気に入りです♪

ミルククラウンのくちびる

ミルククラウンシリーズの最終巻。
第3巻でトラウマと向き合った望の現在の悩みは、自分より10歳も大人で、実際に大人な高遠が意外と嫉妬深かったこと。
望から同級生の名前が出ると嫉妬に燃えてしまい、あまあま展開なのはいいけど、かなり高遠が大人げない。

望は頼まれて、バイト先のジャズバーに友人を連れていくが、その晩は高遠の嫉妬が炸裂!

高遠も自分が嫉妬大爆発なくせに、ステージで共演した女性とキスしてしまったりとうっかりさんですが、望の焼きもちを困りつつ嬉しそうに受け止める高遠さんがいい!

[スピンオフ]ビターショコラの挑発

望がアルバイトをしているジャズバー「3.14(パイ)」のオーナー・義一と、望を面倒みている叔父の玲ちゃんの話。

店のオーナーである義一には、それ以外の顏があった。
二人は付き合いも長いマンネリカップル・・・かと思いきや、玲二が望を引き取るときに別れ、多分望が高遠とくっついたあたりから、なんとなく元鞘になり現在に至るという、なんとも曖昧な関係だった。

義一は、いろいろなものの『破壊』を請け負う裏の仕事「L.C」という仕事もしていて、危ないことも多く、玲二はかなり心配していた。

義一の愛が深すぎてデカすぎます。
しかも、危険な裏稼業も、玲二と別れたのも玲二のためだった。

玲二は何も気がつかないうちに、大きな愛に包まれていて、それに気がついちゃったら・・・超乱れまくりで、なんだかツンデレを読んでいる自分でした(笑)。
(あれ?ツンデレものなのかな?)

ミルククラウンシリーズ総評

発売してからかなり年月の経過した作品でしたが、一気読みしたこともあり、シリーズ通してかなり楽しめた。
一気読みをしてから3週間近く、ずっと同じシリーズを読み返していました(笑)。

とりあえず、これで終わりのようですが、なんか読みたくて、崎谷さんのホームページで短編を探して読んだりと、久々に一つの作品通して萌えを堪能しました♪


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