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春原いずみ

春原いずみ「赤と黒の衝動」

キャラ文庫春原いずみさんの「赤と黒の衝動」です。イラストは夏乃あゆみさんです。

『おまえだから咲かせてみたい。そして、この手で散らせたい』
高校時代に牡丹の新品種作出に成功した早熟の天才―大学で牡丹の交配を研究する野添智史は、一つ年上の大学生・斎木凌に一目で気に入られてしまう。本業は実は新進気鋭の華道家の斎木は、新興松葉派の御曹司。「おまえの作る花は俺のものだ」と当然の権利のように口説いてくる。密かに研究に行き詰まっていた智史は、斎木の力強い作品に、感性と官能を刺激されていき・・・・・・。

■ 関連サイト
春原いずみさんのホームページ「WELCOME TO いずみCITY」

華道家×牡丹園の息子(牡丹の交配の研究者)です。受けの説明が・・・一言で言えないな~(^^ゞ
感想も○○ものといったように一言では説明が難しい~!

牡丹園に生まれた智史の家は、代々牡丹の交配や栽培をしている家に生まれた牡丹一家だった。
祖父、父、姉も牡丹に関する職業についており、自分も牡丹に囲まれて育ち、小さい頃から牡丹を栽培して生きてきた。
高校時代に作成した新品種「雪姫」という真っ白の牡丹の作出に成功した智史だったが、年齢的にはあまりに若すぎた。天才といってもいい才能だった。
通常品種を作ってから5年ほどは同じものを作れることを確認する必要などがあるため、新しい品種として認定されるには年齢が若すぎたこともあり、姉の名前で新品種は登録された。
天才なんだろうが、智史にはその自覚はまったくなく、日々自分が夢みた紅色の牡丹の作出の研究をしていた。
ある日、一つ年上の大学生で、新進気鋭の華道家・斎木凌に会う。
新興松葉派の御曹司だったが、自分の求める道をいき、単身アメリカに渡り、型破りの華道をしてきた。
初対面なはずなのに「おまえの作る花は俺のものだ」と口説いてくる男の、力でねじ伏せるような花の活け方に一目でひかれていき・・・・・・!?というお話です。

受けの智史、牡丹の研究者で、小さい頃に見た理想の紅色を牡丹で再現したくて日々研究に勤しんでます。
牡丹に情熱をささげてるせいか、他のことではボーっとしているような子です。
自分というものも見えていなくて、一回目の交配でうまくいってしまったために、焦りからか研究途中で躓いている最中です。
そんな智史は、二人の御曹司に狙われてますが、本人ちっとも気付きません(笑)。

攻めの凌は、私の好みの自分の道を信じてまっすぐ突き進むタイプでした(*^_^*)
華道の流派で松葉派というところの御曹司で、急にアメリカから帰国してきた。
だが、自分の流派は継承せずに、単身アメリカにわたり、自分の思い描いた美を追求してる華道家。
松葉流は、自然にあるように活ける華道だったが、それだと凌のイメージのものは表現できないため、自然がどうとかではなく、美のみを追求している華道だった。

もう一人の御曹司は、花月流という流派の御曹司。
花月流は、松葉流の元になった華道で、そのために考え方の相違もあり、凌とは犬猿の仲。
こちらのほうが世間的に認められていて、こっちは普通に父親の跡を継ぎ、花月流を継承してます。
大事な智史をずっと見守ってきたけど、突然帰国してきた凌に智史を持っていかれそうでちょっと焦り気味の温厚そうなタイプです。

お話は、智史を巡る御曹司の対立と、二つの華道の方向性での対立している様子と、智史が一人で交配に望む姿勢が書かれてます。

凌は自分の中の美しさを元に花を活けていて、自然なままで活けようとする華道界と対立してます。
花月流の御曹司と敵対していて、密かに智史をめぐって争っていましたが、当の本人はそれも知らず・・・という、牡丹以外にはかなりの鈍さを発揮してました。

智史が自分の牡丹の交配の研究に詰まっているときに、凌の写真集を見たことにより、イマジネーションを覚えて、研究を重ねたりと、切り開いていくかんじのお話かと思います。
ストーリーや設定などはかなりしっかり作られているんですが、読了感がいまいち物足りませんでした。

どこが悪いっていうのはないんですけどね…なんでだろう(^^;)
どうも凌の華道のイメージが「假屋崎省吾」になってしまうんですが・・・・・・(^^ゞ

凌の作品イメージとかを想像するとね~(笑)

お花はいいんですが、ご本人と少々被ってしまい、せっかくいい男な設定の凌を私がうまく想像できなくなってしまいました(苦笑)
なんで思い出しちゃったんだろう・・・orz

面白かった度:★★★★☆

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