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松雪奈々「なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど」

二見書房 シャレード文庫松雪奈々さんの「なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど (二見書房 シャレード文庫)」感想です。イラストは高城たくみさんです。

・・・・・・中に出して、いいんですよね・・・・・・
ある夜、美和の前に突如現れた身の丈十センチほどのオヤジ顔の生き物。自らを妖精と称するそのオヤジは三日以内に男と性交しなければ死んでしまうと言うのだが…。妖精 ? 淫魔 ? え、どっち ? てか、俺が男に抱かれる!? しかも中出し必須だと !? オヤジのたわ言と完全に無視を決め込む美和だったが、精気を吸い取られて体の不調は明らか。その上あろうことか部下の渡瀬にときめきを覚え、体が熱く反応してしまい… !?
シャレード新人小説賞受賞作品。 エロ大増量+書き下ろしつき !

衝撃作(笑)。

タイトルに惹かれたのと、シャレード新人小説賞受賞作品だということで購入してみました。

『淫魔』というと美少年、美青年、美しい異界の者・・・そんなところかと思ったけど、これは違う!!(笑)
読んでみたら、トンデモ設定万歳な展開でした\(^o^)/

■淫魔に憑かれてしまう主人公

石油研究所第一研究室勤務の室長。研究一筋の独身で38歳。
端正な顔立ちなんですが、とても口が悪い。漢らしい性格。
そのため、「室長」という肩書なのに「お頭」と部下に呼ばれている。

38歳の主人公・美和は、朝目覚めると枕元に身長10cmほどの謎な生き物がいた。
オヤジ顔で何故か腹まきをしているソレは、自分を妖精だという。
男の精気で生きる淫魔だけど、うっかり間違えて女の精気を吸ってしまい、命の危険を感じたので、たまたま通りかかった美和に憑いたという。
力が残っていない淫魔は、他の人間に憑きなおす体力(?)も残っていないので、美和の精気を貰っている。
でも、美和もこのまま淫魔に精気を吸われ続けては命にかかわるので、男と性交してナカダシをして貰わないと死んでしまうと言い出した。
別に男が好きな性癖なわけでもない。当然のことだけど信じられない美和は、夢だと思うことにした。
しかし、意志に反して身体はどんどん衰弱していく。
美和の命も危険になっていき、信じざるを得ない事態に・・・
性交&ナカダシまでタイムリミット6時間しかなくなってしまい・・・・・・というお話です。

妖精というよりは妖怪といったほうがいいような外見をしています(笑)。
何が何でも性交しないといけないという設定が吹きます!
命にかかわるんですwww

オヤジの顔をした妖精?の淫魔に憑かれたアラフォーのおじさんが、命の危機に晒されて男と性交渉に挑むというトンデモ設定に万歳!

美和は何としても男と性交しなければなりません。
相手になってくれる男を探そうとしますが、当然ながらゲイでもホモでもないので、相手探しに非常に困り果てます。

残りの精気も少ないというのに、淫魔はフェロモンを出す魔法とか使いだして、勝手に精気を使ってしまいます。
最悪なことに、それも失敗してただ精気を無駄使いしただけという──!

残り時間があと6時間となってしまったとき、手近な男で間に合わせようととうとう自分の部下に声をかけてしまいます。
年下の部下・渡瀬透真(27歳)。
渡瀬には本当か嘘かわかりませんが、ゲイだという噂があったのです。

藁?にもすがる気持ちで声をかけますが、突然「精気が尽きて死にそうだから、性交&ナカダシしてくれ」と言うわけにもいかず、とりあえず渡瀬の友人に病気持ちではないゲイはいないか?と聞こうとします。

ゲイの友人がいると答えが返ってきたので、これ幸いとその人と会ってみたいと言い、今日今すぐ来るようにお願いします。
ちなみに一応自分の部下であるわけなので、美和の友人が相手を探しているという理由にしました。

しかし、待っても渡瀬のゲイのお友達は来ない。
最初から渡瀬はゲイの友達なんて呼んでいなかったのです・・・・・・!

最初こそは妖精にそそのかされたんでしょうが、それだけではとてもじゃないけど関係は続けられません。

妖精は精気が満たされたらあっさりと美和から出ていきます。

性交をしなくてもよくなりますが、それを伝えたセリフがまたよくない(笑)。
渡瀬は最初から美和が好きだったので、言われたセリフで自分が用済みだと思った。
美和の使った言葉が悪かった。
確かに性交をする必要性はないけれど、用済みかと心配する相手に「ああ、そうなるな」と返事をするのはどうかと思います(^^;)

そんなかんじで、美和は仕事口調の短い言葉で話をするので、渡瀬と意志の疎通ができなかったりと色々あります。
そういう心理面も面白く読めました。

何より、淫魔に憑かれてしまっているわけですから、普通の設定で「これはありえない」と思っても、淫魔効果で個人的に納得してしまい、許せてしまいます(笑)。

相手に選んだ年下攻めのがっつき加減もよかったです!
最後のSSも攻め視点で個人的に満足!!

「来ちゃった。てへ」

ここで終わっているところもナイスです!(笑)
何が来たって、淫魔ですwww

さくさく読むことが出来ました。

続きも読みたいなーと思いますが、この作者の新作も期待したいです!
次の作品、とても楽しみにしています!!

面白かった度:★★★★★

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