カテゴリー
松田美優

松田美優「不道徳な闇」

シャイノベルズ松田美優さんの「不道徳な闇」です。イラストは実相寺紫子さんです。

寂しくて寂しくてたまらない心を、あいつが侵略していく・・・
「・・・俺、いくら寂しくてもあんたにだけは縋らない」
「忘れるな。お前をわかってやれるのは俺だけだ」

ある放課後、高校生の椎名巡は駅のトイレで数学教師の笹川に身体を奪われた。
普段は薄汚れた白衣と教師の仮面で世間を欺いている笹川だが、その実、欲しいものを手に入れるためならどんなことも厭わない男だ。
愛情に飢え、プライドの高さゆえに弱みをさらけだせない椎名を、笹川は甘い言葉と快楽の技を駆使して追いつめていく。
情欲に縛られる椎名。激しい独占欲を持つ笹川。
深く、背徳的な恋の闇に落ちていくふたりだが・・・。

教師×生徒です。

家族にいないものとして扱われ、学校では整った容姿から男子生徒からは妬まれ、女子生徒からは羨望のまなざしを向けられ続けてきた椎名は、どこにいても孤独を感じていた。
ある日、街で見知らぬ男たちに絡まれているところを数学教師・笹川に助けられた椎名は、そのまま駅のトイレに連れ込まれて、身体を奪われてしまう。
椎名は笹川を、自分と同じような世間につまはじきにされた同士かもしれないと思っていたので、ショックは非常に大きかった。
家族は、椎名だけを追いて旅行に行ってしまい、たまたま自宅の鍵を忘れた椎名は家に入れず途方に暮れる。
頼れる友達もいないので、担任の仲原に事情を説明しお金を貸してくれるように頼むが、仲原は生徒を一人でホテル暮らしさせるわけにはいかないと、新婚の自分の家に椎名を呼び寝泊りさせることになった。
仲原とその妻・まみちゃんの優しさで、人との温かい関わりを持てたことで、このままいけば人生明るい道へ歩めるのではないかと思った矢先、臨月だったまみちゃんが突然産気づき出産、仲原のところにはいられなくなった。
仲原は、笹川に椎名のことを頼んだから安心しろと言って来たが、突然自分をレイプした人間と一緒の部屋で寝泊りするはずがない。
笹川の魔の手から逃げだす椎名だが、金もあまりなくホテルに泊まることもできず、本当に行き場をなくした椎名は、笹川に小言の一つでも言ってやろうと連絡するが・・・というお話です。

松田美優さんの著作を読むのは3作目ですが、いつもディープなので大好きです(*´∇`*)

設定は教師と生徒という、かなり普通なのですが精神的においつめられていく心理描写がとても好みであります!!

つーか、犯罪じゃね?w的な攻め・笹川の異様な様子がすんばらしいです(喜)!
受けと両想いにならなければ、はっきり言って YOU!犯罪だよ! 的にヤバい男ですw

笹川は、愛に飢え孤独に耐えている椎名を明るい道へ向かわせるどころか、更にディープな道を歩かせようとします。
世間一般の常識では行動せず、自分が椎名を欲しいという独占欲で、椎名を手に入れようとする笹川。
椎名を愛することで、孤独の椎名を救っているかに見えますが、実は最後のほうで椎名を手にいれた笹川のほうが救われていることがわかります。

仲原のところで、いい人になれそうな兆候があったのに、まみちゃんの出産とともに笹川の広げた蜘蛛の巣へゴロゴロと転がり落ちてしまう椎名。

笹川にヤられてしまった二度目、通常こういうシーンでは攻めをファーストネームで呼ぶような流れに持っていかれるのですが、そんなこともなく「先生」と呼ぶところは個人的に萌えヒットポイントを刺激します(笑)。

二人は普通にくっついて終わりかと思ったら、笹川が椎名以外にも手を出していたことが判明してしまう。
普通の女じゃ満足できないらしく、中学生にまで手を出していた笹川を軽蔑し、椎名は笹川を徹底的に避けだします。

つーか、「ヤる価値」って何よってかんじで・・・・・・(^^ゞ

すると、今度は笹川のほうがダメージをくらってしまう。

椎名を口説いているところにいい人・仲原がうっかり登場してしまい、笹川は鬼畜っぷりを他人にまで披露しますw

個人的に萌えツボが盛りだくさんの一冊でした。

イラストの笹川もとてもじゃないけど善人には見えず、寧ろイラストが鬼畜度をアップしているかんじがして、非常に萌えでしたw
ちょっと気になったところは、椎名が家族につまはじきにされるところの理由かな?

椎名は両親共にいいところを取った美形に生まれついたが、弟はそうではなかった。
椎名と比べては自己嫌悪をしてしまう弟のプライドを保とうと、母は椎名を徹底的に無視します。

そして、家庭を顧みない父は母の意見に賛同するだけ・・・・・・。

ただそれだけで、自分が腹を痛めて産んだ子を無視するのかなぁ?と思ってしまって、ここが唯一納得しにくいところでした。

なので、この近辺の描写だったり感情表現だったりが、どうしても受け入れられずに苦手だわと思う方もいらっしゃると思います。

しかし、あたしは鬼畜っぽく独占欲が強い攻めが好きなので、その気になったところは相殺されますw

あとは何故笹川がそれほどまでに椎名に執着するのか。
この部分がちょっと釈然としなかったのですが、ここは出版社のサイトでショートストーリーが掲載されています。
・・・・・・このショート、本編に組み込んだほうがいいんじゃないか と思いました。

本当、おしい!

二作目「自己破壊願望」以外、いまのところ個人的には愛称のいい作家さんです♪

面白かった度:★★★★☆

「松田美優「不道徳な闇」」への3件の返信

さくらさん、こんばんは!
松田さん、ディープでしたね。三作のうち、「赤い呪縛」とこの作品がツボに刺さりました。さくらさんと一緒ですね。あれはどうにも萌えポイントがわからず、途中で放棄しました・・・。
それにしてもこの先生、ヤバすぎますね。犯罪です??、汗。よほど自分の魅力に自信があるというかなんというか大胆さにビビリました。でもワイルドでイイ♂ですね??痺れました♪
実相寺さんの絵も、美しくて作品の萌えに貢献していたと思います。
松田さん、次の作品も楽しみですvv
TBよろしくお願いします☆

こんばんは、あいさん!
>三作のうち、「赤い呪縛」とこの作品がツボに刺さりました。
まったくです!
ビバ禁断! 兄弟! 萌えです!!
>途中で放棄しました・・・。
一応全部読みましたが、ちと残念でした。
今後とも、すんごいものを書いて欲しいと願うばかりですw
>それにしてもこの先生、ヤバすぎますね。
つーか、こんな鬼畜な先生がいていいのでしょうか!?
そんなに椎名が魔性の男だったのでしょうかw
あまりの犯罪チックな先生に萌えでしたが、実際にいたら嫌ですね?w
>実相寺さんの絵も、美しくて作品の萌えに貢献していたと思います。
イラストの先生が鬼畜な雰囲気を更にアップさせててグッドでした♪
こちらこそ、TBお返しありがとうございました★

さくら@管理人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。


*