クリスタル文庫の英田サキさんの「今宵、天使と杯を (クリスタル文庫)」です。イラストはヤマダサクラコさんです。
【あらすじ】
人生なんて一寸先は闇―飲み過ぎたある夜背中に天使の刺青を背負うヤクザ四方と一夜の過ちを犯してしまったらしい柚木は、それ以来しつこく迫られ肉体関係を強要されるようになってしまう。その上会社からはリストラを宣告され妻には家出されて…。純情ヤクザ×中年リーマンの奇妙な関係の行方は。
※焼き直し「今宵、天使と杯を (SHYノベルス266)」が発売されています。イラストはヨネダコウさんです。
英田サキ「今宵、天使と杯を」感想
やっと読めました~(*^_^*)
買ってからずっと枕元においてあったのですが、新刊から買う時期を逃したのと、更に別の新刊が次々となってくるので、後回しになってしまってましたので、読めてよかった!
英田さんの初感想は「今宵、天使と杯を」になります★
この方の作品は、プロになる前からずっとネットで読んでまして、ちょこちょこと同人誌を買い漁っていたようなファンだったので、初めて小説JUNEで掲載されたときは、本当にびっくりしました。
…だってまずお名前が…苗字と名前がある?と(ネットはハンドルネームだったから)。
それと、プロになれてよかったね?と、この方くらい書ける方がプロにならないのはおかしい!と思いました。
小説JUNEで掲載されていて、途中で小説JUNEが休刊されてしまったので、あの続きはどうなるんだろうと思っていたのですが、小説が発行されたときには忘れっぽい私はあの話の続きが入っているとは思わず、更には文庫はノーチェックだったので、本になっていたときには更に驚きました。
というわけで、感想。
35歳の柚木は、会社でも営業成績が悪く、更にはED…インポのため、子供が欲しい妻の望みも叶えてやれない、それらから逃げるように酒に溺れる毎日で、アルコール中毒になりかけていた。
朝、目が覚めると自分は裸で、隣には知らない男が眠っていた。
その男には刺青があって、人目でヤクザだとわかった。
頭が混乱するままホテルを後にしたが、一体何が起こったのかわからないままだった。
自分はEDだからヤルことはできないので、まさか自分が男にヤラレタのではないかと悶々としている中、会社の同僚に、飲み屋で何故か柚木とヤクザと意気投合して、飲みなおしにいったということを聞く。
会社の前でそのヤクザ四方が待っていて、二週間自分と付き合ってくれると約束したのだから、約束を守れと言ってやってきた。
そんな中、柚木の妻は家出をしてしまい、リストラも決まり、人生暗闇に落ちそうになって…というお話です。
このお話は、ヤクザものなのですが、ちょっと珍しいパターンです。
ヤクザにしては純情です。
ヤクザというと、もっと違うパターンのお話が多い中で、純情なヤクザという設定が面白いと思いました。
ヤクザが純情という表現もちょっと変なのですが、そこは読めばわかるかと思います。
それなので、従来のヤクザものが苦手な方でも読めるのではないかと思いました。
(私は従来のヤクザものも好きなので、あくまで予測ですが)
純情なヤクザというのは、お話の中盤くらいからわかってくるかと思いますが、そのヤクザの四方も人生色々あって、感情が麻痺してしまっていただけなんだということがわかって、そのあたりも面白かったです。
自分が誰からも必要とされていないとわかったときに、一緒にいてくれた四方の存在が柚木の中で、柚木の自覚なく大きくなっていくあたりの表現もよかったと思います。
ただ、約束の二週間の設定が勿体無かったな~と思いました。
ちょっとあまり効果がない使われ方なような気が個人的にはしまして。
何故二週間なのかというのは読まれるとわかりますが、もうちょっと衝撃がほしかったな~と。
あっさりしていてよかったのですが、そこだけがちょっとあっさりすぎたかなと。
しかし、柚木は酒癖が悪すぎます。
酔っ払うたびにあちこちで説教をしていては…身が持たないのではないでしょうか(笑)
私が感想を書くまでもなく、すでにたくさんの方が書かれているので、そちらのほうを参考にされてもいいかもしれません。
書き終わりましたら、どんどんTBを送信しています★
面白かった度:★★★★☆
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