ラヴァーズ文庫の水月真兎さんの「黄金(きん)の王子は闇に惑う」です。イラストは黒須 晶さんです。
【 あらすじ 】
遠い異国にひとりきり…
さあ殿下、俺の手を取るがいい──…
北欧の小さな国の第2王子ルリは、両親の亡き後、兄に疎まれ、幼い頃から修道院で育てられた。
20歳を迎え、王宮に戻る事が決まると、ルリはかねてからの願いであった母の故郷日本を訪れる。
しかし、温かい母の故郷で待っていたのは、王国からの裏切りだった。
身内から命を狙われ、遠い異国にひとりきり…。
追い詰められたルリの前にひとりの新聞記者が現れる。
記者というには鋭く剣呑な雰囲気を秘めるその男は敵か味方なのか―…。
ルリは危険な男に誘われるように差し出された手を取ってしまうが…。
■水月真兎「黄金の王子は闇に惑う」詳細[↓]
【 感想 】
記者×王子です。
※久々に感想が辛口になってしまいました(T_T)
今作を愛してやまない人は見ないほうがいいかもしれません。
なんでだろう…なんかこういうモードのときってあるんですよね…
両親亡きあと、修道院で育てられた第二王子ルリは、世俗に疎かった。
何故か腹違いの兄からは疎まれており、その理由もわからなかった。
20歳になると修道院から王宮へと移ったが、兄に疎まれている現状が変わるわけでもなく、母の生まれた日本に行くことだけを希望に生きていた。
そして、それが終わったら修道院の大司教になることも決まっていた。
いつも様々な制限がされ、自由に動けないルリの、最初で最後の楽しみとなる日本訪問。
しかし、そこで騙されて口にしたものは、仕組まれた媚薬入りの抹茶。
理由もわからなく身体が火照っていくのを止められない…
複数の男たちに襲われそうになったところを助けてくれたのは、記者だという青年だった。
初対面の青年・トーゴについていったルリだったが、身体は熱くなる一方だった。
トーゴとは初対面のはずなのに、何故か怖いとかいう感情も嫌悪感もなかったルリは、トーゴに抱かれてしまうが……というお話です。
今回はレーベル買いです。
密かにラヴァーズ文庫さんはお気に入りなのです♪
折込チラシも奈良千春さんのイラストですし、これのイラストを見るのが何気に楽しみです。
これ、溜まってきたらイラスト集などにして貰えると、すっごいほしいですね?☆
ルリの性格が影響しているのか、あらすじほど緊迫した雰囲気はなく、ストーリー展開もそれほどドキドキしませんでした。
5歳から15年の間を修道院で育ち、ほとんど世俗を知らないルリは、超純粋培養。
もちろんだが性的な教育は受けていない。
だが……知らないということはある意味怖い。
乱れていいのだというトーゴに、本当に乱れまくりなルリ…
普通のBL展開だと、ちょっとは「いやっ!」とか嫌がるところなのですが、悦びまくりでしたw
(まあ、素直で宜しいということで)
この人だけは信頼できるという侍従のヘンリクという男にトーゴが繋ぎをつけ、なんとか追っ手から逃れることができました。
「ローマの休日」のBL版というテーマがあるそうですが、個人的にはもうちょっとせつないとよかったなと思います。
確かにその映画も見ましたが、あれはひと時の庶民の生活を楽しんで恋をした王女がよかったので、ハッピーエンドの終わりは好きですが、今作に限ってはちょっと物足りないかんじがしました。
ストーリーが順調に進みすぎて、なんだか障害が少ないなと…… orz
追っ手に追われているところも、なんだか緊迫した雰囲気が足りていない気がしました。
(ごめんなさいね、今回辛口な感想で… (T_T) )
残念だったのは、女装したシーンのイラストがなかったこと。
これはイラストつけてほしかったですね?!
妄想できるけど…できるけど……このテーマでは案外必要なのではないかと思いました。
最後のエンドからして、色々今度が不安な二人……
(あたしが妄想するには…ってことです)
ショートストーリーとかでいいから、ちゃんと「生活」をする二人の描写があるとよかったのかなと思います。
旅立って終わりっていうのもいいんですが、二人は一緒に生活をしているシーンというのが作品には含まれていなくて、家事もできないルリと、ちょっと変わった職業のトーゴの二人でちゃんと生活していけるのか? とかおばさんはそんなことも考えてしまいまして……なんか現実感が薄れている気がします。
(年のせいか!? がびーん!)
また疑問なのはトーゴの年齢 …… あんたいったいいくつなの!?
そして最大の疑問 …… 結局黒幕は誰よ!?
これだけは本当に知りたいもんです(特に黒幕)。
面白かった度:★★★☆☆
水月真兎さん関連商品>>
黒須 晶さん関連商品>>
コメントを残す