竹書房ラヴァーズ文庫の夜光花さんの「不確かな抱擁」です。イラストは雪舟薫さんです。
昔から、北斗の行く所には災いが起こる。その為、接触嫌悪症を患った北斗は部屋に閉じこもりがちの生活を送っていた。自分を取り巻く不思議な因縁は一体何なのか・・・。その原因を突き止めるため、北斗は母の故郷、八ツ島へ向かった。七歳の頃その島で記憶を失ったのだ。記憶をたどれば、どこへ行っても疫病神の自分を変えられるかもしれない。しかし、そこで北斗を襲ったのは、再度の記憶喪失だった。島に着いてからの記憶がない北斗の身体には、誰かと抱き合った後のような痕跡が残っていて・・・。
幾重にも折り重なる謎と屈折した人の感情が絡まりあう、エモーショナル・ラブストーリー。
夜光花「不確かな抱擁」感想
身体には陵辱されたあとがあり、不安に思いながらも、記憶を辿っていく。
自分は東京に住んでいて、この島にやってきたことを思い出したが、なぜ草原に倒れているのか思い出せない。
とりあえず、父子家庭で、色々な状況下から1週間経って北斗からの連絡が途絶えた場合は、警察へ連絡すると予め父に言われていたことを思い出したため、電話をかけようと思い立つ。
しかし、財布等何も持っておらず、近くの民家で電話をかりようとしたが、そこの住人が自分のことを知っているようだった。
「お前のことを知らない奴なんてこの島に、いねーよ」 と言われて、とまどいを隠せない北斗だが・・・・・・というところから始まるお話です。
ちょうど母がなくなった時期で、そして今。小さい島に二つある神社。
奇妙な信仰。
北斗のなくした記憶があるきっかけで戻っていきますが、結構その過程が面白いかな?と思うので、なるべくネタバレしない程度に感想を書いていきます。
(これがまた難しいんですが…)
因習って、とても閉鎖的な空間なので、世の中では間違っていることでも、その空間では正当化されている、いわゆる治外法権みたいなもので、常識が通じない世界っていう定義は、私の好みです(*´∇`*)
最後はちょっと後味が悪い終わり方をしていたのが残念ですが、やはりこういう因習もので超円満なハッピーエンドもありえないかな?と思うので、これはこれでいいか・・・という結論になりました。
触手注意報発令です!
触手ってわけじゃないんですが、それ系が苦手な方はお勧めできませんので、ご注意ください。
なので、ちょっと好き嫌いが別れる作品かもしれません(^^ゞ
※その部分の挿絵はないです!(←多分重要かと・笑)
面白かった度:★★★★★
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