夜光花「凍る月~漆黒の情人~」

竹書房ラヴァーズ文庫夜光花さんの「凍る月 漆黒の情人」です。イラストは高橋悠さんです。

神か悪魔か・・・。謎の男に貪られてゆく・・・。
二十歳になったら死ぬ子供・・・。
そう予言された光陽(こうよう)が、間もなく二十歳を迎えようとしていた。予言を知らず、家の中に閉じ込められるようにして育った光陽は、祖父と約束した「二十歳になったら自由にしていい」という言葉を信じ誕生日を楽しみにしていた。
しかしある日、光陽の前に美術愛好家の梁井(やない)と名乗る男が現れる。梁井は光陽を屋敷に呼び寄せ、「契約」を取り付けようとしてくる。「契約」の内容はとても屈辱的なもので、光陽には耐えられそうになかったが、「お互いが死なない為に必要なこと」だと言われ・・・・・・。

※感想の中盤からお話の核となる部分をネタばれしていますので、気をつけてください<(_ _)>

一応注意報発令しますので、目安にどうぞ。

盲目の易者の占いで、二十歳までしか生きられないと言われた光陽(こうよう)。
本人は、そのことを知らずに生きてきて、あとちょっとで二十歳になろうとしていた。
光陽は、小さい頃から母親に色々と決まりを作られて育てられたが、理由を知らさせないまま、母親は癌で亡くなっていた。
「二十歳になったら自由にしていい」という言葉を信じて、言いつけどおりの生活を送る光陽。
光陽が人と違うところは、傷口がすぐに完治してしまうこと。
そのことを知っているのは、家族以外では小さい頃に祖父と行った公園で出会った幼なじみの亨だけだった。
義務教育以外、必要以上に家の外に出ることは許されず、外の世界を知らずに育った光陽の唯一の友人が亨だった。
光陽が黒い獣に襲われた次の日、祖父の古伊万里の壺を買いに来た梁井(やない)という男は、せいぜい見積もっても三百万円くらいの壺に一千万円出すと言ってきたが、その条件が光陽が梁井の屋敷に壺を届けるという、不可解なものだった。
祖母の入院費用などで家計が火の車だったため、光陽は梁井の屋敷に壺を届けることにした。
しかし、そこで梁井から今まで何故自分が外に出られなかったのか、傷口もすぐに治ってしまうのかという理由を知らされ、そして自分と「契約」をするように要求してきて・・・・・・というお話です。

キタ ━━━ヽ(´益`)ノ ━━━!!
なんと! 設定がファンタジーでした!!
しかもあたしの求めていた !!!!!
そう、あたしは狼男とかではなく、獣ものを求めていたのです!!

(変態ですいませんw)

狼男で変身してくれるお話も少ないですし、やっぱ獣ものだよなぁ~♪ と思いました。

光陽の母・麗美が失踪してから、約1年ほど経過して、妊娠したまま実家へと戻ってきた。
お腹の子は堕胎できないほどに成長していて、父親のことを両親には何も話そうとしない。
両親は、麗美が失踪していた間に無理矢理妊娠させられたのではないかと気に病んでいたけれど、娘の口から好きな人の子供だからと言われた。
病院へ行こうとしない麗美のために、両親は実家で出産できるようにと助産師を呼んだ。
息子・光陽が生まれたとき、麗美は絶対に守ると号泣しながら誓ったが、祖父が呼んだ盲目の易者はものすごい光を発している子だけれど、二十歳までしか生きられないと予言した。
その結果を麗美に話すと、麗美はそれは希望の宣託だと言った。
普通の子じゃなけれど、二十歳まで絶対に生かしてみせると麗美は言い、光陽を外に出さずに育て始めた。

このとき麗美が言った「普通の子じゃない」という言葉は、これからどんどん自覚していくようになります。

祖父はなぜ麗美が光陽を外に出さないのかわからなかったので、麗美がいないときに近所の公園に連れ出します。
そこで出会ったのが亨です。

亨と遊んでいて光陽は転んで足をすりむいてしまいます。
麗美に怒られるなと思いながらも家につれて帰り、手当てをしようとすると光陽の足には傷一つなく綺麗になっていた・・・・・・。

義務教育は外に出さなければならないので、麗美は香の匂いを光陽につけさせて学校などに行かせます。
高校は義務教育ではないので、母が亡くなってからも光陽は外には出られず、家で勉強して高卒の資格を取ります。

二十歳の誕生日は祝わせてほしいと亨に言われていた光陽。
そのとき亨が何かを伝えようとしていることにはちっとも気付いていなかった。
このあたりはさすが純粋培養というか、鈍いです(笑)
まあ、人と接する機会がないのでしょうがないんですけどねw

※この辺からネタバレ注意報発令です!!

そして、運命の日。

古伊万里の壺を梁井の屋敷に届けたとき、自分の怪我がすぐに治ってしまうこと、なぜずっと香を持っていなければならなかったのか、そしてどうして外へ出られなかったのかを、梁井から聞かされます。
梁井は、「獣人」で変身すると獣になる。
獣は人間の血や肉が食事だけれど、まっとうな人間でいたい梁井は、一般人を襲うつもりはないようだった。
光陽は、その獣人の「餌」だった。
だから、傷もすぐに治る。

母が香を家に焚き染めていたのは、「餌」として発する光陽の匂いを誤魔化すため。
必要以上の外出を禁じたのは、獣人と遭遇する機会を恐れてのことだった。
そして自分と「契約」をするように梁井は言ってきますが、最初光陽は断ります。
断れば光陽は二十歳で死ぬことになるんですが、それでも断ります。
すると、必死になって「契約」条件を下げてくるのがちょっと切羽詰ってておかしかったですw

「餌」として「契約」を交わした光陽。
契約は屈辱的だったけれど、契約すれば生きることが出来る。
梁井にしてみれば、光陽はただの「餌」です。

食事。

なんですが、ただの「餌」にしては、光陽に執着しする梁井がいいかんじです (・∀・)にあにあ

食事とはまったく関係ないのに、光陽をうっかり抱いてしまったり、傍にいないとイライラしてるのもいいかんじです (≧m≦*)ムプ

二十歳の誕生日、当たり前のようにお祝いしようとする梁井に、自分は亨と約束してるというと、これまた嫉妬のように怒るのがいいw
梁井を説得して、誕生日は亨と過ごすことに。
誕生日のお祝いは、幼なじみの亨が外を知らない光陽のために、ちょっとリッチなお店で食事をご馳走してくれ、プレゼントも貰い、まるでデートのようなコースを二人で満喫します。

そんなほのぼのとしつつ?も、話の裏では徐々に物語が動いています。
獣人が何人も現れ、光陽を狙い、梁井は必死に守ります。
物語りも色々と伏線を張ってあって楽しめました。

亨が単なる幼なじみではないというのが、個人的には素敵設定です♪

しかも無自覚!!

光陽にしたら、唯一の友達が、実は純粋な友情ではなくて、恋愛感情で見られていたっていうのもちょっとショックかもしれないのに、更に無意識の食欲のためだとしたら、かなり可哀想かなと思います。

そして、「餌」が何故二十歳までしか生きられないのかというのは、お話中に理由が書かれていますので、あえてここでは書きません。

詳しい「契約」内容も、書きだすとキリがないので、こっちも割愛。

光陽の父が、光陽が生まれる前に亡くなったのも、それが理由です。

また「餌」が二十歳を過ぎても生きる方法もありますが、それもまた大変なことです。
とりあえず、びびったのが、この本は続きがあること!!
これ一冊読みきりじゃなかったんですね~ (^^ゞ

1巻とか上巻とかなかったんで、気付きませんでした。

えーー! ここで続くのかよ!! と思ったりしました orz

とりあえず、獣に変身するので、それが駄目な人にはお薦めできません。

今回はなかったけど、獣姦が出てくるかもしれないもんね(^^ゞ
獣に変身するのは獣人だけですけどね。
光陽は変身しません。餌だからw
続きが楽しみです♪

面白かった度:★★★★☆


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