ガッシュ文庫の夜光花さんの「オガクズで愛が満ちる」です。イラストは水名瀬雅良さんです。
親の残した喫茶店のマスター・三沢玲人は、過去に関わった凄惨な事件以降、自分は他人と接することが苦手で恋愛ができないと思っていた。
しかし玲人は、何かと世話を焼いてくる大学生のバイト・鳥羽秀一だけには心を許していた。
ある晩玲人は、酔った鳥羽に抱かれてしまう。鳥羽の熱い気持ちにほだされて身体だけの関係が続くが、過去の事件が玲人を再び臆病にさせて・・・。
ちなみに、購入の動機は、作家買いですが、タイトルがとても疑問だったから。
両親が残した喫茶店を営んでいるマスター・玲人は、過去に妹が被害にあった残酷な事件のせいで、人間不信気味になっていた。
だが、一つだけ例外があり、お店のアルバイトで大学生の鳥羽には、心を許し始めていた。
ある日の晩、酒に酔った鳥羽に抱かれてしまう。
酒の勢いだということで、このことを片付けてしまおうとした玲人に、鳥羽は本気で好きなんだと訴えてくる。
熱心に自分を求めてくれる鳥羽を邪険に出来ず、身体だけの関係が続いてしまうが、過去の事件が未だに玲人を、何事にも臆病にさせていた・・・・・・というお話です。
『お前の胸にはオガクズしか詰まってない』
玲人は、この言葉が忘れられず、そして自分の胸にはオガクズしか詰まっていないと思っていた。
何故、オガクズなのか──
この台詞は、「オズの魔法使い」から連想される言葉ですが、この台詞にどうして玲人が傷ついて、そして癒されていくのかというのが、この本の面白さの醍醐味であると思うので、あえて語りません。
玲人は、生活をしていて、突然キレてしまうときがあり、それは当人も理由がわからない。
ただキレると、皿を割り続けたりしてしまうという、凶暴的な内面も潜んでいた。
しかし、自分も理由がわからないことを、鳥羽だけが気付く。
それは、玲人に一目惚れをしてバイトを始めた鳥羽だからこそ、気付いたのかもしれない。
また、妹がストーカー被害にあって結局亡くなってしまった事件──その犯人が刑期を終えて出所してくる。
それがきっかけで物語は、一気に動き出します。
これも、どう動いたのか・・・・・・非常に言いたいのですが黙っておきます。
これをばらされたら、推理小説を読む前に犯人を言われちゃったかのようになってしまいますからw
夜光花さんは、何気に気に入っている作家さんの一人です。
今まで発売された著作は、だいたい拝読していますが、結構内容が重たいものが多かったような気がします。
今回もそうなのかな・・・・・・と思って読み始めました。
今までよりは重くない内容なんだと思い始めて、途中からそれが思い違いであったことに気付きました。
とりあえず、途中から一気にストーリーが展開し出して、最初と最後では違った印象を受けました。
タイトルの本当の意味は、読み終わればわかります。
個人的にはかなり面白かった一冊です♪
追伸 : あらすじに出てくる鳥羽君のフルネームは、
作者の夜光花さんが「鳥羽君」という台詞に萌えてしまったので、
なんと、あらすじにしか出てきません!
ある意味すごいよねw
面白かった度:★★★★☆
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