榊花月「そのわけを」

ラヴァーズ文庫榊花月さん「そのわけを」です。イラストは金ひかるさんです。

『おまえはあいつのものなのか?
今までの言葉は全部嘘だったのか・・・──?』

「俺は誰も愛さない」そう言う倉方には、冷たい美貌と屈折した性格のどこかに、隠された秘密があるのかもしれない。大手デパートに勤める志紀にとって倉方の第一印象は最悪だった。人を見下したような視線、そっけない口調、どれをとっても下請けのデザイナーとは思えない態度の男だった。しかしある時、酔った勢いで倉方に絡んでしまった志紀は、そのまま倉方に抱かれてしまう。「お前がしつこいから抱いた」その後志紀に倉方はそっけなく言い捨てたが、志紀には倉方があからさまに他人を拒否する理由が気になり始めていた。冷たくあしらわれても倉方への想いが止められないと自覚した頃、倉方に激しい憎悪を抱く青年が現われて・・・。

榊花月「そのわけを」感想

デパートのディスプレイのデザイナー×デパート勤務です。デパートに勤務する志紀は、密かに思いを寄せていた同僚から結婚する話を聞き、落ち込んでいた。
そのままバーで酒を飲み、酔ってしまい、誰でもいいから抱いて欲しいと思っていたので、誘われるままにしていたが、誘われたグループがちょっと薬を使うやばそうな人たちだった。
さすがにまずいから逃げようと思ったが、ちょっと逃げられそうになかった。
そんなときに知らない男に助けて貰うが、本当は助けて欲しかったくせに「俺は抱かれたかったのに余計なことを」見たいなことを言ってしまい、助けて貰ったはずが、その男に抱かれてしまう。
その男は、デパートのディスプレイを作るデザイナーの倉方だった。
そっけない倉方に、何故か志紀はひかれていくが、倉方に憎悪を抱く青年・稜が現れて・・・・・・というかんじのお話です。結構好きな作家さんなんですが、今回のこのお話は、ちょっと個人的に疑問が多くて、なんかあまり萌えませんでした。
・・・というか、こう来たかとちょっとびっくりな一冊でした。
ここ最近の作風とはちと違う気がしたからです。
まあ、全部読めていませんので、私の勘違いの可能性もありですが。で、あまり好みじゃなかった理由:
1.なんであんなに偏屈な攻めに一目惚れ状態なのか? 魅力は??

うーん。
一目惚れするような格好いいかんじじゃないと思うんだけどな~。
あれはクールと通り越しているんじゃないかと(^^ゞ

2.最後の救いがないのでは?

お話の途中で、攻めが暴力を振るってしまうんですが、やはり好きな人に暴力はいかんのです。
お話の要素としてならいいですが、最後もなんか改善されないっぽいし、どうして志紀が執着し続けるのかがわかりませんでした。
また、このほかに志紀を好きになった稜という年下の男が出てきますが、こっちは倉方と違って人間味のあるキャラなんですが・・・こっちも思いつめてしまって、最後は大変なことに・・・。

「あなたがつけた疵は、あなたが癒して」 って・・・・・・SMじゃないんだし・・・(^^ゞ

というかんじで、全体的にハッピーエンド??ってかんじでした。
キャラの生活からすると、まあこれがベストなのかもしれないんですけどね?。
倉方の心の動きと、志紀が倉方を精神的にどう好きかと、稜の最後に救いがあればよかったなと思います。

面白かった度:★★★☆☆


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コメント

“榊花月「そのわけを」” への1件のコメント

  1. B-Life.SSのアバター

    [BLS] そのわけを

    榊花月&金ひかる(竹書房ラヴァーズ文庫) ラヴァーズ文庫から初の榊作品。それにしてもこれは意外でした。榊先生の作風はむしろラヴァーズってレーベルに合ってい…

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