ダリア文庫の崎谷はるひさんの「不埒なモンタージュ」です。イラストはタカツキノボルさんです。
同性しか好きになれないことを悩んでいた真野未直は、高校最後の夏に新宿二丁目へ行く決心をする。
しかし妙な連中に絡まれ、危ないところを強面の三田村明義に助けられ・・・。強面と威圧的な態度に反し、不器用な優しさを覗かせる明義に惹かれる未直。
しかし必死のアプローチも全く相手にされず、明義はその正体すら教えてくれなくて──。
深夜読み始めて、最初は性の悩み相談みたいなかんじで、正直微妙・・・・・と思ったのですが、読んでいくうちにどんどんひきこまれていって、ついには涙まで流して読み、最後は朝になるまで一気に読んでしまいましたw
(仕事たまり放題なんだけどw)
■ 不埒なモンタージュ
同性しか好きになれないことを悩んでいた未直(みすぐ)は、勇気を出して高校最後の夏に新宿二丁目に行ってみることにした。
しかし、新宿二丁目に着く前に、ウリをやっている少年だと間違われて、変なオヤジとその周辺を仕切るヤクザのような男に連れ込まれそうになったところを、強面の明義に助けられた。
助けてもらった明義に、新宿二丁目に行きたいんだと告げると、怒られてしまい、あまりの怖さに泣き出した未直は、喫茶店に連れて行かれた。
明義に話の流れから自分の性癖で悩んでいると打ち明け、相談に乗ってもらう。
話をするうちに、強面=怖い男ではなく、本当は優しいところがある人なんだとわかり、惚れてしまった。
粘りに粘って携帯の番号とメールアドレスを聞き出し、アプローチを続ける。
しかし、未直の性癖の話は個人の悩みにとどまっていなくて・・・・・・というお話です。
年を取ると涙腺が緩くなるのでしょうか・・・・・・ orz
「同性しか好きになれない性癖」だけが未直の悩みではなく、それを年の離れた信頼する兄に相談を持ちかけたところ、ばっちぃものを見るような目で見られてしまい、頭ごなしに怒られ、かなり酷いことを言われてしまいます。
兄にだから打ち明けて、話を聞いて貰いたかったのに、次の日には両親にまで知られていて、父親には「反抗期」とか言われ、父も兄も仕事で忙しいのだから、そんなことを言って煩わせるなといったことを言われてしまい、母はずっと泣いている始末・・・・・・
それからというもの、家族には口を聞いてもらえず、かといってイジメを受けているわけではない。
夕飯などはファミレスで済ませる。
学費は出してもらってるし、小遣いも貰ってる。
でも、いないものとして扱われる日々に、未直はだんだん耐えられなくなっていった。
だんだんですね・・・・・・
このあたりから私は非常に感情移入していたんですが、未直は大人(=あたしw)の心のツボを掴んだ子なんじゃないかと思うんですねぇ・・・・・・
自虐的なところがですね・・・あたしの涙腺を刺激するんです (T_T)
あたしはですね・・・こう、精神的に家族からシカトされるとか、そういうネタが駄目なんですよね・・・泣くよ(T_T)
そんな話を真剣に聞いてくれる明義に、ますますひかれていく未直。
(多分、未直じゃなくてあたしだったとしても惚れるかもw)
毎日メールを5通までと決めて、電話はよほどのときじゃないとしないと自分にルールを決めた。
明義は自分の仕事については一切何も言わなかったけど、まったく不安はなかった。
学校から、進路の話をするための三者面談の話があり、先生からは返事がない未直に話を聞きにくる。
面談は結局兄が行くことになったが、兄と未直の雰囲気や話の内容から、先生は未直の家で何かが起こっていることを察した。
だけど、先生も家庭内のことに深く踏み込めるわけでもなく、未直は優しい言葉をかけてくれる先生には相談しなかった。
その帰りに兄は家ではなく、別のところに車を走らせた。
その場所は・・・・・・精神病院だった・・・・・・
今はいろんな薬があるからすぐに治るという兄に、激しくショックを受けた未直は、兄ところから逃げ出してしまう。
逃げたといっても、いく場所もなく、雨も降ってきて、どうしていいかわからなくて仕方ないときに、明義に送ったメールの返事がやってきて、どうしても我慢できずに明義に電話をした・・・・・・
・・・・・・しかし、頭が固い兄だと思いました。
銀行員だからっていうんじゃないんでしょうけど、同性愛=病気=病院というのは、かなりショックだろうと思います。
このあたりであたしはかなり目から汗が出ていたわけですがw
明義に電話したからといって、別に行く場所がないからどうしたらいいという相談をするわけじゃないところが、また私の涙を誘います・・・・・・(T_T)
更に一度帰ってこいと兄から連絡があって、帰ってみれば通帳を渡されて、好きにしろと言われたあたりは・・・・・・あたしのほうが泣いてたんじゃないかと(T_T)
明義の家に転がり込んで、付き合うことになった二人。
明義は最初から仕事が忙しいから身体だけの関係になっちゃうかもしれないけどいいか?と言われていたのですが、本当に着替えをしに帰ってくる場所で、もともと生活感のかんじられない家に一人で生活していると、更に不安が襲ってくる。
そんな中、明義の仕事関係のいかにも怪しい男がやってきて、「この書類を渡して欲しい」と封筒を預かる。
その男から学生の囮が必要だと言われた未直は、中の書類を見てしまう。
そして、明義のためになるのならと、その場所に潜入するが・・・・・・
はっきり言って無謀です!!
しかし、家族のこと、明義のこと、色々なことで不安を抱えていた未直は、疑うこともせずに潜入しちゃうんですねぇ・・・・・・
大ピンチなわけですが、そのことがあり、やっと明義の職業もわかる。
ついでに、明義はなんと両親にご挨拶をしに行くという律儀さ★
家族との溝が浮き彫りにされ、どこで溝が出来てしまったのかが、両親にも伝わり最後はちゃんとハッピーでした♪
要するに心療内科でカウンセリングが必要なのは「兄」のほうだったのですねぇ(^^ゞ
兄は過去にホモに何かされたんでしょうか?
あんなに同性愛を嫌がるとなると・・・生理的に受け付けないにしては拒否しすぎでした。
あたしは兄が気になりました!!!!(笑)
■ 好きにさせないで
ラブラブになって大学に無事に進学した未直と明義の話です。
明義は、未直と一緒にいるために中古といえど家を買い(なんてラブラブ!)二人で暮らしているんですが、仕事明けとかになると明義のエロモードは大爆発するんですw
だから嫌だと拒否をするんですが、本当に嫌なのはエロい明義ではなくて、終わったあとに淫行をしてしまったと悩む明義なのでしたw
ここはあとがきのタカツキノボル先生のイラストにもSDキャラで描かれていて、なんともツボにはまりました(笑)。
未直はですね・・・・・・
なんかエロい台詞ばっかり言うんです・・・・・・ f(^ー^;
しかも無意識っぽいところもあり・・・・・・(笑)
AV並みの台詞なので、明義は大喜びなんですが、そこが読んでいてちょっとひく・・・・・・という方もいると思います(^^ゞ
そういう方にはあんまりお勧めできませんw
かなりエロの要素が多いので、そのAV並みの誘い文句?とかが駄目だと、結構キツイ一冊になっちゃうかと思います (; ̄ー ̄A
というわけで、あたしは面白かったんですが、そういうのが駄目な方はお気をつけて(笑)
面白かった度:★★★★★
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