ダリア文庫の崎谷はるひさんの「戀愛 -koiai- (ダリア文庫)」の感想です。イラストは、タカツキノボルさんです。
サイト掲載作短編2作+書きおろし続編の文庫化です。
崎谷はるひ「戀愛-koiai-」
会社員の橋田達巳は大学で出会い、今は同じ会社に勤める奥田にずっと片思いをしていた。しかし、男前で明るい性格な彼の傍らにはいつも女性の影が…。それでも達巳は奥田を想い続けるが、3年前友人でいられればと、やっとそれをふっきった。それなのにある日突然、奥田からキスとともに告白される。戸惑い混乱している中、身体だけでも自分のものにしたいと強引に迫られて――!?
崎谷さんのサイト掲載分に書き下ろしを加えた一冊です。
長年のファンの方はサイトのほうで読まれている人もいるかと思いますが、わたしは本当に一年ほど前まで崎谷作品が苦手だったので、初読みです。
サイト掲載分だったからか、通販で届いて「薄い!」と思いました。
いつもはもっと分厚いですからね。
感想
サークルあがりの会社の同僚二人のお話。
学生時代から友人として付き合いがあり、受けの橋田はゲイ。攻めの奥田にずっと片想いをしていて、それがこじれたところで奥田に結婚話があると知り、必死に想いをあきらめた。
奥田のほうは、ちょっとチャラッとした系で、常に女をとっかえひっかえ。
橋田が自分を好きなことは知っていたけど、悪い気はしない、偏見のないノンケ。
しかし、ある時、橋田が自分のことを見ていないことに気がついて、焦りだした・・・。
話は、橋田のかなりこじれた片想いが落ち着きはじめたところで、停電の隙間に奥田に突然チューされてしまうというところから始まります。
短編だからこその展開の早さ!
学生時代から9~10年くらいの付き合いの二人なので、相手の性格はよくわかっているわけで、だからこその展開の早さですね。
橋田は片想いを諦めた状態なので、今は奥田のほうが橋田を思っている。
身体から陥落させようとするエロさ、手っ取り早くエロが読みたい人向けです(笑)。
身体はモノにしてみたものの、自分のことをどう思っているのかわからないでちょっと不安になってる奥田視点の『恋々』。
大学生の橋田視点の話を盛り込みながら、橋田がいかに奥田を諦めたのを書いた『得恋』。
奥田にときめきながらも必死に諦めた橋田と、橋田が気になって付き合っていた彼女と別れてしまった奥田。
ただの友達相手にあそこまで切れたりしないでしょうという、あまり余裕のないモテ男っていうのは、個人的には好きです!
総評
短いからこそよいのかなというストーリーでした。
骨太のがっつりした話が読みたい人にはオススメできない一冊です。
ライトな書き口なので、あっさり読みたい人向けです。
初っ端からくっついてしまいますので、そういう展開でもOKな人はどうぞ。
チャラ系の男が焦る図というものは、かなり美味しくいただくことが出来ました♪
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