砂原糖子「純情アイランド」

ディアプラス文庫砂原糖子さんの「純情アイランドicon」です。イラストは夏目イサクさんです。

こいつはなんで、こんなに俺を好きなんだ──
崎浜港平(20)には悩みがあった。島の生き神様同然の幼馴染み比名瀬に好かれて以来、生まれ育った比名島を出られない。比名瀬から逃げ回ること11年、その風景は日常と化していた。
そんなある日、比名瀬がアパートの隣室に越してくる。生活能力ゼロの比名瀬をなぜか放っておけない崎浜。だが仕方なく世話を焼くうち、一途に自分を慕う比名瀬を可愛く思い始め・・・!?大量書き下ろし続篇も収録、島ものBL決定版。

ほのぼの島ものラブです!

比名瀬は、比名島では生き神様同然に思われており、お年寄りとすれ違えば拝まれたり、握手を求められたり、大変な人気者。
しかし、11年前から幼なじみの崎浜(男)を好きになってから、毎日追い掛け回していた。
学校が終わると家庭教師が付く比名瀬は、頭脳はいいが一般常識とかが著しく欠如していて、崎浜は自分のことを当然好きだと思っていた・・・・・・というお話です。

この本は砂原糖子さん買いですw
あらすじを満足に読まず、キーワードだけに目を奪われて勝手な妄想をし、その妄想ストーリーと実際のお話はかけ離れていたことに驚愕しました。

(※当たり前じゃ!)
  1.島の生き神様同然 → 何か特殊能力が!?
  2.島ものBL → 漂流して辿りついた無人島サバイバルラブ!

こんな話かと思っていました。
(※あらすじちゃんと読め!)

読んでみれば、あら不思議。
とてもほのぼのしたお話でした(笑)

作品は、「純情アイランド」「純情クリスマス」の二部構成となっています。
「純情アイランド」では、二人が恋人になるまで?の経緯のお話。

崎浜は、ものすごい迷惑をしていた(当たり前)。
ノーマル嗜好の崎浜は、当たり前だが付き合うのは女性。

思考回路がどこかずれている比名瀬は、自分と付き合っているのが恥ずかしいから、女性をカモフラージュにしていると思い込んでいた。
島の外に出られない崎浜は、彼女との時間が欲しくて、何かと比名瀬に用事を頼むわけですが、本当に一途で崎浜のためにやっているので、さすがに罪悪感が出てくる。

しかし、とある嘘をついて、買い物に行かせたことがきっかけとなって、比名瀬は崎浜とのことが、単なる自分の思い込みであることに気付いた。

一方崎浜は、比名瀬のことを可愛いと思い始めてしまっていて・・・・・・というかんじの話で、島といってもリゾートではない、無人島でもないし、隔離された島でも孤島でもない、普通の日本のとある島ってかんじで繰り広げられるストーリーです。

ちょっと笑っちゃうのが、頭はいいくせに、何故か赤ちゃんはコウノトリとかキャベツとかから生まれるという伝説?を信じていることがおかしい(笑)
本当に頭がいいのか、微妙なところです(笑)

■ 純情クリスマス

「純情クリスマス」は、付き合ってから?のお話。

また、比名瀬が崎浜のことを好きになった11年前から、何故か島の外に出られない。
出ようとすると、海は荒れ、気象庁もびっくりな自然現象が起こったりして、船に乗ることができない。
島の外に出たい崎浜は、神社へお参りに行くが、そこがかなりのマイナーな場所だった。
雨も降ってきたので、神社で雨宿りするが、崎浜を好きだというわりに、赤ちゃんは未だにコウノトリとキャベツの知識な比名瀬・・・・・・(^^ゞ
濡れた服を脱いで、シートで包まるというお約束シーンなのに、我慢してるのは崎浜だけという、なんとも可哀想な展開に・・・・・・。
我慢しきれない崎浜は、外で頭を冷やそうと一人で行こうとするが、そこについてきてしまった比名瀬が、転んで気絶してしまう。
比名瀬は記憶喪失になってしまいますが、忘れてしまったのは崎浜のことだけ。
頭の大半を崎浜で占めている比名瀬の頭の中は、穴ぼこだらけになってしまうというお話です。

島の恋愛のせいか、素朴?なかんじで、色っぽい雰囲気にはちっともならないのですが、記憶をなくしても崎浜が気になる比名瀬の執念?があっぱれですw

記憶をなくしたままの自分では、崎浜に好きになってもらえないというところは、結構シリアスっぽいのですが、基本的に比名瀬がポヤポヤした性格のお坊ちゃまなので、記憶喪失のわりに悲壮感もなく、不安定にもならない。

全体的には何事も深刻になりすぎない、ほのぼので可愛い、コメディな一冊です♪

「島の生き神様同然」と記載はありますが、特に特殊能力があるわけでもないので、普通の?青年であることは確かですが、崎浜が島から外に出ようとすると何故か起こる激しい自然現象の原因は結局わからないまま。

やはり、崎浜へのものすごい想い?が天候を無意識に動かしているのでしょうか?w
だとしたら・・・・・・執念って怖い・・・・・・(笑)

ものすごいベタなストーリー展開なのですが、今回はそのベタさがいいのかなと思います。
先の展開がどうなるんだろうと思いながら読むんじゃなくて、安心して読めるかんじがよかったです。

ちなみに、ほのぼのが駄目とか、ドラマティックな展開が好きな人とか、ちょっと受けがバカっぽいところが苦手な人にはお勧めできないかもしれません。

本当に人間が生き神扱いされてる島ものは六堂葉月さんの「カレは手段を選ばないでしょうか?

こっちは、本人も自分は神だと信じていて、笑えます(笑)
でも、あたしは気に入っていますw

面白かった度:★★★★☆

2件のコメント

  1. こんばんわ。
    コメントTBありがとうございました。
    こちらからもTBさせてくださいね。
    バカっぽい受、大好き!なので、とっても、楽しい1冊でした。
    >「島の生き神様同然」
    港平が島から出られないのは、やはり比名瀬の力だったのでしょうか。
    謎は謎のままで、真剣に考えると、ホラーにすら成りえるのに、ほのぼのしちゃうとこが、すごいなあと、思いました。

  2. あすたさん、こんにちは★
    >こちらからもTBさせてくださいね。
    あわわわわわ!
    またうちのブログはTBを受信してくれなかったようです(T_T)
    本当、すいません!!
    >港平が島から出られないのは、やはり比名瀬の力だったのでしょうか
    その執念?はある意味すごいですねぇ(笑)
    ああ、それが神の力なんでしょうか(笑)
    コメントありがとうございました★
    TB受信できずにすいませんorz

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