ルチル文庫の砂原糖子さんの「夜明けには好きと言って」です。イラストは金ひかるさんです。
白坂一葉は、交通事故に遭ったのをきっかけに顔を整形、名前も変え別の人間として生きることに。ホストクラブで働き始めた一葉は、同級生だった黒石篤成と再会。かつて一葉は黒石に告白され夏の間付き合っていたのだ。同僚となった黒石は、一葉に好きだと告白してくるが・・・・・・。
砂原糖子「夜明けには好きと言って」感想
ある日の面接帰りに、車の運転をしていて、気が遠くなり、気付くと車でガードレールをつっきって崖をダイブしていた。
一命をとり止めるが、顔と首に大きな傷跡が残る。
自分のコンプレックスの顔を変えたいとずっと思っていた一葉は、一度死んだつもりで顔を整形し、戸籍も偽る。
顔が違うだけで、今までは俯いて暮らしてきたのに、顔を上げて暮らせるようになった。
なんだか世界まで変わった気がした。
新たな気持ちで生活を始めた。
とりあえず生活できるお金がほしかったので、ホストクラブでホストを始めることにしたが、そこには黒石という中学時代の同級生がいた。
自分が誰なのかばれていないことに安堵して、そこで働き出すが、同僚となった黒石に告白された。
しかし、一葉は黒石に復讐したいと思っているが──というお話です。
私的には面白い話でした。
あらすじを読んで面白そうだと思って購入した本で、「受けが整形」というところが気になってました。
あまり整形ってBLでは出てこないような気がするんです。
受けは必ず可愛いとか綺麗とか、そういう設定だったと思うので、顔にコンプレックスを持つ一葉の話は、結構同調して読んでしまいました。
一葉は、整形前は顔をあげて外を歩けないほどのコンプレックスだったのですが・・・・・・実は私にもあるんですよね~顔のコンプレックス。
だから、顔をどうどうと上げて暮らせなかった一葉の気持ちがなんだかよくわかってしまいました。
他人はどうとも思ってないところが自分では気になるんですよね(^^ゞ
気にしているのは本人だけだっていうのもわかっているんですが、どうもね~。
そして、それを人に指摘されるとどんどん落ち込んでいったりとか・・・うーん・・・わかるな~と思ってしまいました。
中学時代のときに、黒石という同級生から好きだといわれて付き合うことになるんですが、それから中学を卒業する前に黒石が転校していき、その後に黒石に騙されていたことを知り、それから楽しかった思い出も憎くなってしまって、人と関われなくなっていく。
黒石は黒石で、一葉が偽名を使って出てきたときも、顔が変わっても一発でわかったくせに、知られたくないんだろうと黙って見守っているという、口数は多くないですが、一葉を好きなことがよくわかるので、読んでいて楽しかったです。
攻めの黒石は・・・うーん・・・一見クールに見えるワンコ系な気がしました(笑)。
駄目と言われたら、ずっと待っているんですもん(*´∇`*)
この作家さんの本を読むのは初めてでした。
最後が不安にならず、ちゃんとハッピーエンドになるんだな?っていうのがわかりやすく、さらっとした読み口で、全体の雰囲気も好きな一冊でした(*^_^*)
面白かった度:★★★★★
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