シャイノベルズの松田美優さんの「赤い呪縛」です。イラストは奈良千春さんです。
【 あらすじ 】
そんなビビられると、必要以上に……興奮する
自分の魅力を知りつくしている高校生・加藤日向は、ふたりの兄に甘やかされて育った。
だが、日向の平穏で勝手気儘な生活は、次兄・龍昇によって壊される。
「俺はもうお前を、弟して見んのはやめたから」
兄の龍昇が、そう宣言した日から、恋愛において、これまでずっと勝者だった日向の立場は逆転する。
いけないことだと思いながら、龍昇のことが気になって仕方がない。
安寧を得るはずの空間は危険極まりない空間になってゆき!?
■松田美優「赤い呪縛」詳細[↓]
【 感想 】
次兄×弟です。
母子家庭で加藤家の三男の日向は、年の離れた兄二人に甘やかされて育った。
恋愛でも苦労をしたこともなく、現在は同じ学校の女性教諭と付き合っている。
長兄は、仕事の都合で出向が多く、寮生活をしているので、普段は次兄と母との三人暮らし。
ある日、次兄と口喧嘩になったとき、「俺はもうお前を、弟して見んのはやめたから」と突然宣言される。
そのときは冗談だろうと思っていたし、その意味も図りかねていた。
だが、それが恋愛対象としてみるということだと気付いたときには、兄である龍昇に手を出されていた。
さすがにそういうことに倫理観の薄い日向であったが、兄弟で……というのは罪悪感がつのる。
兄をうまくかわそうとするがそれも叶わず、龍昇に謀られて身体を重ねてしまう。
落ち着けるはずの家が、身の危険が及ぶ場所になってしまい……というお話です。
兄の狂気じみた執着と、弟のいまどき風なちょっと倫理観薄い少年なかんじがよかったです。
最初はほとんど強姦に近いかんじだったのですが、中盤から後半にかけて、龍昇が自分の気持ちに必死にセーブをかけるようになってくる。
自分から逃げていこうとする龍昇に、自分だけ逃げていくのは赦せないとばかりに、龍昇の執着をうまく利用してひくところは、甘ったれな弟ならではかと思います。
龍昇の彼女も登場しますが、日向は嫉妬して自分たちの関係をばらしてしまう。
やはり長年一緒に暮らしてきた兄弟だからこそ、最後の駆け引きと気持ちの変化があるんだろうなと思いました。
じゃないと、最初が強姦でハッピーエンドという心理描写に納得いかないタイプですから、この設定が説得力あったのかなと思います。
タイトルの「赤い呪縛」の意味は、本を読めばわかります。
タイトルから話が連想されるものが増えてきた中、これは想像つかなかったので、なるほどと納得しました。
また、日向の友達もいい味だしてました。
あだ名の「さお師」というのが、これを公共の場で呼ぶのはどうかよ? とか思ったり(笑)。
いやね、最初は特になんとも思わないでスルーしていたんですが、よくよく考えると……このあだ名から連想すると……ねえ(笑)
「よお、さお師!」 とかって、人がたくさんいるところで呼ばれるのもどうよ? とまた思ったり(笑)。
面白くていいけど、リアルな現実を考えるとぷぷっと笑っちゃいますね(笑)。
正直イラスト買いだったので、それほど期待していませんでしたが、個人的には非常に好みでした。
しかしながら、半分だけとはいえ実の兄弟で、きちんと?同居しているという、本当に家族として暮らしている二人なので、そういうのが生理的に受け付けない方にはお勧めできないかなと思います。
(離れて暮らしていたとか、実は義理だったとかはありません)
男の兄弟のせいか、ちょっと殴ってみたりとかいう描写もあります。
痛い系も駄目な場合は、更にお勧めできません。
出版社のサイトにその後の二人のショートストーリが掲載されています。
オンラインで活動されていた作家さんのデビュー作とのことなのですが……ノーチェックでした。
何気にホームページを探していますが、私の検索能力が低いのかちっとも探せません (>_<)
デビューをきっかけにネットを去ってしまう方もいらっしゃいますからね?(^^ゞ
イラスト最高です!
特にいいのが、裏表紙の3兄弟が居間で団欒しているところ。
すごい雰囲気が出ていていいかんじでした★
どうでもいいですが、あのあと長兄とさくらはどうしたのでしょうか?
この話、一応ハッピーエンドですし…
(さくらとは龍昇の彼女の名前で私のことではないですよ?笑)
今後に期待しています!!!!
評価、超迷いました。
鬼畜で兄弟設定が好きな私はやはりこのような評価になってしまうんでした(笑)
まあ、個人の好みだからいいかなと。
冷静に分析して、多分一般人には星は4つくらいかなと思います(^^ゞ
面白かった度:★★★★★
松田美優さん関連商品>>
奈良千春さん関連商品>>
コメントを残す