パレット文庫の松岡なつきさんの「天鵞絨(ビロード)の仮面 (パレット文庫)」です。イラストは櫻井しゅしゅしゅさんです。
【あらすじ】
間諜、決闘、恋。華麗でワイルドな銃士物語!!
フランス、ルイ13世陛下直轄の、固い結束で結ばれた銃土隊に所属するアルノーとジャン。人気者だが、銃士隊一の問題児にして色男のジャンは、サファイア色の瞳が美しいアルノーが大変なお気に入り。ある朝、ジャンの介添えとして決闘に出かけたアルノーは、王に反発するリシュリュー枢機卿に捕まり『イギリス子爵のアーサーを誘惑しろ』と命令され…。だが、アルノーには枢機卿に逆らえない訳があり?! 恋と誘惑に揺れるワイルドな銃士たちを華やかに描いた、松岡ワールド!
松岡なつき「天鵞絨の仮面」感想
銃土×銃土(間諜)です。
間諜とはスパイのことです。
大っぴらに人妻と一晩のアバンチュールを楽しむのが好きな銃土ジャン(攻め)は、同じ銃土隊に所属するアルノー(受け)を気に入り、相棒として何をするのでも一緒に楽しんでいた。
ジャンは、人妻との情事を隠すことがないため、その旦那から決闘を申し込まれる日々。
決闘は一応法律で禁止されているため、こそこそ決闘を行っては、ばれそうになると逃げるというのを繰り返していた。
それにいつも介添えとして付き合うアルノーだったが、アルノーにはとある理由で、銃土隊の敵ともいっていい枢機卿に送り込まれている間諜(スパイ)だった。
そのため、どんなに気に入ろうとも心から親しくなるわけにもいかず、どうやって相棒の座を降りようかと考えていた。
ある日ジャンの決闘に介添えとして付き合うアルノーだが、決闘が終わりその現場を押さえられそうになる。
ジャンといつもの場所で落ち合おうと、二手に分かれて逃げ出したが、アルノーだけ捕まってしまった。
枢機卿がかなりの期間でアルノーを銃土隊の面々には知らせずに拘束したかったからだが、そのときに「イギリスの子爵を誘惑しろ」と命令されて……?というお話です。
個人的にはかなり好みのお話でした。
ちょっと違うけど、友人から恋人になるというパターンは好物であります!!
子爵を誘惑するためにアルノーは枢機卿の命令で、男娼に仕込まれます(笑)。
誘惑する予定のイギリス子爵とは、子爵とは知らずに先に出会ってしまうのですが、これもまたお決まりの?萌え設定があって、個人的には楽しく読めました。
まあ、あまり書くとネタばれしすぎるのでやめておきますが…。
イギリス子爵を誘惑するかわりに、これで自分を間諜とするのは最後にしてほしいと枢機卿に言いますが、そこで何故アルノーが枢機卿の言いなりにならなければならなかったのかがわかります。
目的を果たしたことで、約束どおりに枢機卿から開放されたアルノーだが、自分が何のために辛い思いをして枢機卿の言いなりになっていたのかがわからなくなるということがあり、それで今まで言いなりで生きてきたけど、最後は自分の意志で死にたいと、アルノーは枢機卿のいるところに単身乗り込んでいくのですが、そこでもまた萌えが……!!
この作品も中世ヨーロッパの色が濃いお話なので、そのあたりの話が苦手な人にはお勧めできません。
枢機卿が…とか公爵が…とか、そういうのがバンバン出てきますので。
あとは、受けが初めに他の人と肉体関係が出来てしまうのですが、そういうのが駄目な人も駄目かもしれません。
まあ、「好きだ」というのを自覚する前なので、大丈夫かな~と思いますが、好みもあるので念のため。
あ、それからエロ度の高い作品をお求めの方へもお勧めできません(笑)
面白かった度:★★★★☆
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