森本あき「姫君は海賊にさらわれる」

プラチナ文庫森本あきさんの「姫君は海賊にさらわれる」です。イラストは樹要さんです。

海賊団の船長と、専属H契約v
海賊カイルにさらわれたセス。
反発するが、彼の厳しくも温かい言葉で、亡き家族への罪悪感が癒された。
そして、どこか暗い影を宿すカイルの瞳の意味を知りたいと思った。
だから船の雑用係になったけど―雑用係って、性欲処理係!?
逃れるためには、船長であるカイルの専属になるしかない。
でもその儀式は、なんと公開セックス!!
「硬くなってきたな。気持ちいいのか?」
シャツを引き裂かれ、恥ずかしくってたまらないのに強引にイかされちゃって・・・。
淫らな儀式で海賊団に仲間入り。

海賊船船長×雑用係です。

地球温暖化が原因だったのか、核実験が原因だったのか、そのあたりは定かではないが、ある日突然の水位の上昇と共に、地球の陸地は大半は海の底へと沈んでしまい、人類はなすすべがないまま、それを享受し、ほとんどが死んでしまった。
そして、生き残った人々は、被害の少なかったかつてのオーストラリアへと集まるようになるが、沈まなかった土地に住み続ける人もいた。
ほとんどがオーストラリアへと集まり、力をあわせて復興をしようとしている、そんな中で新政府が出来たり、気に入らないやつらは徒党を組んだりと、物騒な世の中になってしまった。
ある土地で一人だけでいるセスは、何年か前に政府の調査団がやってきたが、この土地を離れたくないと言ってとどまり、ただ一人残った。
家族の遺体を守りながら、自殺ではなく自然に死ぬ日を今か今かと待っていた。
そんなある日、こんな何もない土地に海賊船がやってきた。
海賊船をやり過ごそうと、家族を埋めてあるところの隣に自分のための墓穴を急いで堀り、その中に隠れるセスだったが、結局見つかってしまい、海賊船へと連れて行かれてしまう。
死にたいから放っておいて欲しいというセスに、無理矢理治療をする船長・カイル。
反発していたセスだが、いつしか生きようと前向きになるようになる。
ある程度回復したので、雑用係りとして働こうと思ったセスだったが、雑用係りの仕事はデッキの掃除や洗濯、ベッドのシーツ替えなどだったが、男ばかりの海賊船で本当に求められる『雑用』の仕事は・・・・・・なんとセックスの相手だった。
セスのことを船員たちに雑用係りとして紹介したが、カイルはこんながりがりの少年がまさかみんなの欲望の対象になるとは思わなかった。
味見と称してあちこちからセスに手が伸びる。
それを助けるには、船長や副船長といった身分のある人の『専属』になることで、カイルはセスに自分の専属になるなら、この状況から助けてやると言うが・・・・・・というお話です。

みんなにやられるなら、カイルの専属になったほうが身の為だと思ったセスは、カイルの申し出を承諾するんですが・・・そうなると公開エチに!!!!!

こうなったのは自分の責任だと思っているカイルはなんとかしてくれるわけですが・・・・・・

なんとかするとか言うわりに楽しんでるあたりが、やっぱり海賊ものだぁと思ったりw

お約束の海賊同士の対決のあとで負傷したカイルを看病するあたりから、セスの気持ちがかなり確定的になってきて、最後のカイルに一泡噴かせるあたりがよかったかなと思います。

物語的には、度肝を抜かれる展開とか、そういうのはないですが、さらっと読めるライトな海賊ものだと思います。

そのため、『海賊』というものを、非常に感じたい人向けではないかなと思います。
(かくいう私も物足りないw)

今回脇役で出てきた副船長と船医がどのようにどうなったのか気になっておりますw

アラブものと同じで、海賊ものも結構パターンが決まっちゃっているので、誰か殻をやぶったすんごいものを書いてくださると、海賊ものマニアとしては嬉しいかな~w

別に船長受けでもいいけど(←ん?)w

面白かった度:★★★☆☆


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